こんにちは。Ino_Kです。岩木山の麓にありお山参詣で有名な岩木山神社ですが、実は青森県外にも岩木山神社が存在しています。今回、実際に現地へ行き参拝して来ましたのでその模様をお伝えします!
参拝へ
降り立ったのは北海道室蘭市にある東室蘭駅。北海道室蘭市は人口8万人ほど(五所川原市とつがる市をあわせたぐらいの人口)の街です。室蘭といえば、10年ほど前までは青森港と室蘭港の間でフェリーが就航していました。現在は廃止されているため、室蘭に辿り着くまでには函館か苫小牧を経由する必要があり少し遠回りです。
街中を進んでいきます。北海道の街は碁盤目状になっていたり、道自体がとても広かったりと特徴的です。そのため、あまり迷わずに散策できました。
散策中遊歩道の花壇にあじさいが咲いていました。青森のあじさいは大体7月くらいが見ごろですが、夏でも涼しい気候だからかここでは8月下旬でもきれいに咲いていました。
参拝へ向かっている途中、急な坂を登りました。駅から神社までの高低差はおよそ30mほどあります。この急な坂があるのも弘前の岩木山神社に似ている気がしました。
岩木山神社に到着
東室蘭駅から徒歩20分で「北海道岩木山神社」に到着しました!銀色の鳥居が出迎える神社は、こじんまりとしていましたが、しっかりと「岩木山神社」の文字がありました。
境内は除草といった整備が行われており、大切にされている神社だという印象を受けました。ちょうど訪問した週に岩木山神社でお山参詣が行われていたのですが、私は北海道一周旅行の途中なので参加できなかったのでここでお参りしました。
なぜ県外に岩木山神社が存在しているのか
ここまで、北海道室蘭市にある岩木山神社に訪問した模様を書いてきましたが、なぜ青森県から遠く離れた地に岩木山神社が存在するのでしょうか?
開拓使による神社建立
北海道は江戸~明治時代に開拓使によって本土から和人が移り住んで開発が進んだ地域でした。その時代に、もともと住んでいた故郷の神社を入植した地に建立する事例が多くあったとされています。
具体的な例として、札幌市中央区にある彌彦神社は新潟県から入植した開拓使が地元にある彌彦神社を建立したのが起源となっている神社です。
津軽出身者の入植と神社建立
明治から昭和にかけて、青森県民からも北海道に入植した人々がいました。その人たちの中にも神社を建立した人がおり、猿賀神社や岩木神社、赤倉神社などの流れを持つ故郷の神社を建立していったといわれています。これらの神社は道内各地に存在していましたが、入植者の高齢化や世代交代がされる中で信仰が途絶えたりする事例が多く、現在残っているのは僅かしか存在していないようです。
室蘭市周辺の場合、3つの岩木山神社の流れを含む神社が存在していました。このうち、室蘭駅の近くの室蘭岩木山神社については、2013年に廃社となり、今は2社(うち1社は八幡神社と合祀)のみが現存している状態となっています。
このように現在では衰退傾向にある北海道の岩木山神社ですが、この記事で訪問した北海道岩木山神社だけは例外で、今でも活発に活動が行われているようです。参考にした文献によると、現在は津軽出身の氏子は少なく、この神社に関わる宗教者とその氏子による活動が行われているそうです。しかし、お山参詣など青森県の岩木山神社から受け継がれてきた行事は今でも実施させています。
まとめ
今回は番外編として、北海道にある岩木山神社の記事でした。地図で発見した時、なぜその場所にあるのかがとても気になっていましたが、実際に訪問したり文献を調べるうちにその背景が興味深く感じました。北海道にお住まいの方や北海道へ旅行される機会があったらぜひ参拝して、北海道へ渡った津軽の人々の足跡を辿ってみてはいかがですか?最後までお読みいただきありがとうございました!
参考文献・リンク等
参考文献一覧
▼北海道岩木山神社と深いかかわりのある民間宗教者についての記事です。
▼北海道における岩木山信仰について記載されている論文です。
▼記事中に紹介した札幌市の彌彦神社の歴史です。
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